マイヤ・プリセツカヤ・ガラ〜ドン・キホーテ
昨日はマリンスキィ・バレエのシンフォニー・インCをご紹介いたしました。 さて今日のお題は「マイヤ・プリセツカヤ・ガラ〜ドン・キホーテ」です。 プリセツカヤはバレエがお好きな方ならもちろんご存知かと思いますがロシアを代表するダンサーです。 ちなみにプリセツカヤの旦那様はロディオン・シチェドリンでビゼーの歌劇「カルメン」をバレエ用に編曲した「カルメン組曲」はバレエはもちろん演奏会でも度々取り上げられています。

このガラ・コンサートは2005年11月20日、プリセツカヤ80歳の誕生日に上演されたものでテレビでは翌年2006年3月8日に放送されています。 その内容たるや凄いものでまず登場するソリストですがボリショイ・バレエからはマリア・アレクサンドローヴァ、マリア・アラシュ、アナスタシア・ヤーツェンコ、スヴェトラーナ・ルンキナ、エカテリーナ・シプリーナ、スヴェトラーナ・ザハロワ、アンドレイ・ウヴァーロフ、ニコライ・ツィスカリーゼ。 マリンスキィ・バレエからディアナ・ヴィシニョーワ、イゴール・コルブ。 ロイヤル・バレエからアリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー。 ベルリン国立バレエからポリーナ・セミニョーワ、アルテム(アルチョム)・シュピレフスキー。 キューバ国立バレエからヴィエングセイ・ヴァルデス、ジョエル・カレ−ニョ。 パリ・オペラ座バレエからカール・パケット、アニエス・ルテスチュという豪華メンバーです。 もちろんプリセツカヤご本人も舞台に登場しています。

第1幕のバルセロナ、幕が上がるとさっそくキトリの登場です。

お!マリア・アレクサンドローヴァですね。


チャキチャキの感じで良いですねぇ〜。

あれ? いつの間にかキトリがアリーナ・コジョカルに変わっています。

コジョカルがヨハン・コボーのバジルに寄ってくる女性にガンを飛ばして追い払うところが笑えるます。

先ほどのアレクサンドローヴァと比べるとやや内面的な感じのキトリです。 さてコジョカルとコボーの踊りを楽しんだ後はマリア・アラシュとエスパーダのアルテム(アルチョム)・シュピレフスキーが登場します。

マリア・アラシュのエキゾチックな雰囲気がとても合っています。


シュピレフスキーは最近ボリショイ・バレエへ移ったみたいです。

そしてドン・キホーテとサンチョ・パンサがやってきます。

サンチョ・パンサは町の娘たちにからかわれて目隠しをして娘たちを捕まえるゲームをしますが捕まえるどころか触る事さえ出来ません。

ついにサンチョ・パンサがキレて町の若者や闘牛士たちを巻き込んで大騒ぎになりますがドン・キホーテが剣を抜いて場を鎮めます。


そこへ今度はキューバ国立バレエのヴィエングセイ・ヴァルデスとジョエル・カレ−ニョのキトリとバジルが登場します。

ヴァルデスはキューバ国立バレエのスターですね。

キューバのテレビで放送された「アリシア・アロンソ・デビュー65周年記念ガラ・コンサート」でジゼルとオデット&オディールを観ましたがなかなかのものです。

そしてこの日の主役のマイヤ・プリセツカヤが登場して挨拶をします。

この後ストリート・ダンスのグループ「Da Boogie Crew」が妙技を披露して幕となります。

続いての幕が上がります。 第2幕第1場タイトルは「Таверна(居酒屋)で」。


コジョカルとコボーによるマスネのマノンからアダージョ


セミニョーワとシュピレフスキーでモーツァルトの曲によるアダージョ「Lindentraum」


ヴィシニョーワとコルプでベジャールのデュエット「バクチ」。

そしてホアキン・コステロのフラメンコが登場。

プリセツカヤもコステロと一緒に踊って場が盛り上がり幕となります。

続いて第2幕第2場。 タイトルは「На мельнице(製粉水車にて)」。

幕が上がるとタイトルどおり舞台の後ろには風車がありますが何故かコサック兵たちがたむろしています。(笑)
この幕ではボリショイ・バレエの若手ダンサーたちがプリセツカヤが得意としていた役柄を踊っていきます。


アナスタシア・ヤーツェンコでグノーのファウストのバレエから「ワルプルギスの夜」


スヴェトラーナ・ルンキナでシチェドリンのせむしの子馬


エカテリーナ・シプリーナでヤルリーンのШурале


マリア・アラシュでアサフィエフのБахчисарайский Фонтан


マリア・アレクサンドローヴァでクレインのラウレンシヤでした


この後コサック・ダンスでこの幕は終わりです。

続いて第2幕第3場でタイトルは「Сон Дон Кихота(ドン・キホーテの夢)」。 夜になり暗い森の中のドン・キホーテとサンチョ・パンサ。

ドン・キホーテは先ほどのコサック・ダンスで興奮したのか突然、剣を抜いて振り回しています。

そんなドン・キホーテをサンチョ・パンサが「ご主人様、剣を収めて下さい。 もう夜も遅いし今日はここで寝る事にしましょう」と言って寝かせます。


さてドン・キホーテがどんな夢を見るのか言うと少林寺拳法なんですね。 このまさかの展開に驚きましたが素晴らしい演舞に場内はブラボーと拍手で沸いてました。

さあいよいよガラ・コンサートも大詰め第3幕です。


これまで踊りを披露した方々が続々と入場してきます。

舞台が赤い薔薇の花篭で飾られてました。


まずスヴェトラーナ・ザハロワとアンドレイ・ウヴァーロフのドン・キホーテのアダージョとヴァリエーション。


続いてアニエス・ルテスチュとカール・パケットによるエスメラルダのヴァリエーションです。

ルテスチュは本当に素晴らしいです。

この後ジョエル・カレ−ニョでバジルのヴァリエーション

スヴェトラーナ・ザハロワでキトリのヴァリエーション


ニコライ・ツィスカリーゼでバヤデールのヴァリエージョン


ポリーナ・セミニョーワでバランシンのチャイコフスキー・パ・ド・ドゥと続きいよいよドン・キホーテのフィナーレです


ヨハン・コボー、ニコライ・ツィスカリーゼ、マリア・アレクサンドローヴァ、ジョエル・カレ−ニョ、アニエス・ルテスチュが次々と舞台に現れます。


最後は両手に扇子を持ちベジャールのグノーのアヴェ・マリアで幕となりました。 ストリート・ダンスにフラメンコ、コサック・ダンス、少林寺拳法と予想外のものが飛び出してきてまるで闇鍋みたいなコンサートでしたが本当に面白かったです。 以上、読んでいただきましてどうもありがとうございました。
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