

スヴェトラーノフはソビエト国立交響楽団の率いて何度か来日してますし録音も数多く遺しておりますのでどちらかと言うとソビエトを代表する指揮者という感じでしょうか。 2002年5月3日に73歳で亡くなっておりますがこの時のロシア文化テレビはクリスティアン・ツィマーマンのピアノ演奏会から急遽番組を変更してスヴェトラーノフ指揮ソビエト国立交響楽団とのチャイコフスキー:幻想序曲「ロメオとジュリエット」、幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」作品32を放送してロシアの生んだ偉大な指揮者の死を悼みました。 私がロシア文化テレビを見るきっかけの一つにスヴェトラーノフの演奏を観たいという願望がありましたのでスヴェトラーノフが亡くなったというニュースは大変なショックだった事を今でも覚えています。

それでもスヴェトラーノフの誕生日の9月6日と命日の5月3日にロシア文化テレビは必ず特集番組を放送しますので現在はそれが楽しみとなっています。


これから紹介するのは2003年9月4日に放送されたブラームスの交響曲第3番ヘ長調作品90です。 これはスヴェトラーフ最晩年の2001年12月にモスクワ音楽院大ホールでのライヴでロシア・ナショナル管弦楽団を指揮しています。


舞台に登場したスヴェトラーノフの姿があまりにも老けているのにまずびっくり。 90年代後半はこんなではなかったのですが2000年になって急激に老け込んだようです。 演奏が始まってそのスケールの大きさと深みにまたびっくり。 若い時のスヴェトラーノフのキーワードは「パワー」と「スピード」だったと思うのですがこのブラームスはそうではありません。 特に第3楽章は超スローテンポで大変素晴らしい演奏でした。


最後は手を合わせてまるでお祈りをしているかのように終わりました。


アンコールはハンガリー舞曲が演奏されているのですがこれは別の日に放送されています。 スヴェトラーノフとロシア・ナショナル管弦楽団は翌年2002年1月にモスクワ音楽院大ホールでワーグナーの管弦楽作品を演奏していますがこれはニュース用のカメラが入っただけで断片がノーボスティ・クリィトゥーラで放送されただけで演奏会そのものは残念ながら収録されていないようです。
これまでロシア文化テレビから録画した演奏会リストは
どうぞ↓こちらをご覧になられて下さい。
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