

テミルカーノフは1938年生まれで12月10日で70歳になります。 現在サンクトペテルブルク・フィルの音楽監督を務めています。 前任者のムラヴィンスキーの陰に隠れがちでしたが実際に演奏を聴いてみるとスマートでロシアの指揮者にしてはあっさりしているように思います。 ちょっと前ですがイタリアRAIでサンタ・チェチーリア管弦楽団との演奏会が放送されたりとかロシア以外でもテミルカーノフの姿を見かける事があります。


今回紹介するのは昨年2007年12月パリのシャトレー劇場で行われたディアギレフのリュス・セゾン100周年を記念したテミルカーノフとサンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団によるオール・チャイコフスキー演奏会です。 この様子はロシアで三日連続で放送され1日目の12月7日はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番変ロ短調さk品23(ピアノ:デニス・マツーエフ)と交響曲第4番ヘ短調作品36、2日目の12月8日はチャイコフフスキーのヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35(ヴァイオリン:ワディム・レーピン)と交響曲第5番ホ短調作品64、そして最終日12月9日はチャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」、ロココの主題による変奏曲作品33(フリューゲル・ホルン:セルゲイ・ナカリャコフ)と交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」です。


今日は最終日12月9日に放送されたチャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」、ロココの主題による変奏曲作品33(フリューゲル・ホルン:セルゲイ・ナカリャコフ)と交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」を紹介いたします。


まず最初に演奏されたロメオとジュリエットですが全体的にオケがバランスが良く鳴っています。 これを聴くとモスクワのオケの鳴りっぷりが粗暴に思えてきます。 いやこれもまた魅力なんですけど(笑)


次に演奏されたロココの主題による変奏曲はロシアが誇る天才トランペット奏者セルゲイ・ナカリャコフが本来チェロで演奏されるこの曲をフリューゲル・ホルンで演奏しています。


これはもう素晴らしいの一言に尽きます。


相当技巧的に難しいと思うのですがナカリャコフは平気な顔をして演奏してます。


しかもフリューゲル・ホルンの豊かで柔らかい音色に魅了されます。

こういう演奏を聴くとチェロではなく元々フリューゲル・ホルンで演奏する曲じゃないかなと思えてきます。 もちろんテミルカーノフの棒さばきも見事です。


演奏が終わると満員の客席から拍手とブラボーの嵐が。


テミルカーノフも嬉しそうに拍手をしています。


演奏を終えたナカリャコフのインタビューがありました。


さて演奏会最後の曲、交響曲第6番「悲愴」です。 私がチャイコフスキーの交響曲を好きな順番に並べると第5番、第4番、第1番「冬の日の幻想」、で第6番「悲愴」となります。 どちらかと言うと好きな方ではないのかも知れません。


でもテミルカーノフの演奏は最後まで聴いて悲愴も結構面白い曲なんだなと思いました。


第2楽章の上品さはやっぱりテミルカーノフですね。 この上品さ緻密さは他のロシアの指揮者ではあまり感じた事がないです。


第3楽章も全体的に統制されていると言うか金管も鳴っていますがちゃんとコントロールされています。


曲が終わってパリの聴衆が盛大な拍手がテミルカーノフとオーケストラに贈られていました。
これまでロシア文化テレビから録画した演奏会リストは
どうぞ↓こちらをご覧になられて下さい。
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