

これは1978年モスクワ音楽院大ホールでの演奏会でラフマニノフを中心としたプログラムで2007年11月17日に放送されました。 ギレリスはリヒテルと並んでロシアと言うかソビエトが生んだ20世紀の偉大なピアニストの一人です。 ソビエトの国策レーベルのメロディアに数多くの録音がありますが西側でも活動していたのでEMIやRCA、DGにも録音があります。 晩年DGへベートーヴェンのピアノ・ソナタの全集を録音してましたがギレリスの死によって残念ながら全集にはなりませんでした。


まず初めにニコライ・ルガンスキーのギレリスについての解説がありました。 ロシアのクラシック番組では現役で活躍している演奏家が登場して楽曲や演奏家の解説をする場合が多いです。 過去ロストロポーヴィチの時はヴァレンティン・ベルリンスキーが、オイストラフの時はウラディーミル・スピヴァコフが、リヒテルの時はウラディーミル・フェドセーエフが登場しています。 こういう演奏家の人の解説って説得力がありますよね。 ただし喋っているのはロシア語で日本語の字幕など一切ありませんので何を言っているのかほとんど分かりませんが(笑)


いよいよ演奏会の始まりです。 客席は超満員で舞台の上にもお客さんがいます。


ギレリスは客席と舞台の上のお客さんにお辞儀をしてピアノに座ります。


ラフマニノフの前奏曲は「鋼鉄のタッチ」そのまんまの響きです。


どうやったらこんなに鳴るのでしょうか。


ガツンと聴かせた後はリチャードソン編曲のヴォカリーズがあまりにも柔らかく優しい演奏でこれには参りました。


あれだけガンガン鳴らした後にこんな優しい響きが聴けるなんて凄いですね。


そしてまた前奏曲で鍵盤をハンマーでぶっ叩いているかのような凄まじい演奏を聴かせます。 しかも音に濁りが全くないです。 テクニックだけでなくピアノを鳴らすコツを身体で覚えているんですね。


「演奏する」と言う事の意味を改めて認識させられた演奏会でした。
これまでロシア文化テレビから録画した演奏会リストは
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