
今日はエフゲニ・スヴェトラーノフの映像を紹介します。 スヴェトラーノフの映像は演奏会のライヴやドキュメンター映画、ニュース映像など相当な数があるようでロシアではそれらが度々放送されています。 しかしそれらの映像が日本で紹介される事は非常に稀で数年前にドリームライフから1980年代後半にオスタンキノ・スタジオで収録されたチャイコフスキーの交響曲全集、フランチェスカ・ダ・リミニ、ロメオとジュリエット、ショスタコーヴィチの祝典序曲。 それに演奏会ライヴのショスタコーヴィチの交響曲第5番、ヴァイオリン協奏曲などがDVD化されたぐらいです。 実はこのドリームライフの企画には私も情報提供をしていて担当の方とお話させていただいたのですがソ連時代の映像を管理しているゴステレファンドと契約はあるものの実際どんな映像があるのか全く把握出来ていないのでDVD化する以前に相手とのやりとりが難しいと言ってました。 ロシア側に漠然とリヒテルやギレリス、オイストラフの映像リストを送ってくれとリクエストしても面倒なのか送ってこないので催促すると「お前らで勝手にマスターテープ探して日本へ持ってけ」と言ったらしいです。 閉架式の図書館みたいなものでこちらが具体的な情報が書かれたカードを示さないと探して持って来てくれないのと同じですね。


そんな状況でチャイコフスキーのフランチェスカ・ダ・リミニ、ロメオとジュリエットは具体的な放送された日時を教えて実際の映像まで見せたのでDVD化された時は嬉しかったです。


これから紹介する映像は2005年7月18日に放送されたラフマニノフの交響曲第1番ニ短調作品13でチャイコフスキーの交響曲全集、フランチェスカ・ダ・リミニ、ロメオとジュリエット、ショスタコーヴィチの祝典序曲と同時期1988年にオスタンキノ・スタジオで収録されたものです。 ラフマニノフの交響曲と言うと日本ではどうしてもテレビドラマの影響なのか第2番ホ短調作品27が飛びぬけて有名ですが第1番も凄く良い曲です。 グラズノフが指揮をした初演が散々でラフマニフが生きてる間は演奏されなかったのが不思議なくらいでよほど初演の時の演奏が酷かったのかなぁと思ってしまいます。


スヴェトラーノフの演奏は全体的にテンポが速いのですが独特な重量感と彫りの深い表現がこの曲の良さを引き立てています。


そして第2楽章はなんとも言えない美しさがあります。


最終楽章のファンファーレの後の行進曲調の部分は全身にリズムが響いてくる感じでまともなオケの音じゃないです。


スタジオ収録とは思えない緊張感が最後まで支配しているこの演奏はフランチェスカ・ダ・リミニと並んでスヴェトラーノフの最高の演奏だと思います。
これまでロシア文化テレビから録画した演奏会リストは
どうぞ↓こちらをご覧になられて下さい。
こういちろう どっと こむ