2008年11月26日

ワレリー・ゲルギエフ&マリンスキィ劇場管弦楽団/チャイコフスキー:交響曲第5番

バレエが続きましたので今日はクラシック音楽の演奏会から紹介いたしましょう。
2003042901.jpg
2003年4月27日モスクワ音楽院の大ホールから生中継されたモスクワ・イースター音楽祭の開幕コンサートです。 曲目はチャイコフスキーの交響曲第5番ホ短調作品64で演奏はワレリー・ゲルギエフと手兵のマリンスキィ劇場管弦楽団です。 マリンスキィ劇場はサンクトペテルブルクにありソ連時代はキーロフ劇場と呼ばれていました。 サンクトペテルブルクは帝政ロシア時代は首都でしたが第1次世界大戦でドイツと戦った時に「ブルク」がドイツ語の「Burg(町)」をイメージさせる事からペトログラードとなりソ連時代は革命が始まったところでありまた革命の指導者であったレーニンの名前からレニングラードと呼ばれていました。 そしてソ連が崩壊して共産党支配が終わりを告げるとまたサンクトペテルブルクになっています。 1917年からモスクワが首都となりましたが帝政時代は首都として政治、文化、芸術の中心だったことからサンクトペテルブルクの人たちはそのことを誇りにしているようですしそれがモスクワへの対抗意識にもなっています。 そんな対抗意識を耳で実感出来るのがモスクワ・イースター音楽祭です。 この音楽祭はゲルギエフが監督をしておりましてモスクワ音楽院大ホールとドーム・ムジカでゲルギエフとマリンスキィ劇場管弦楽団が中心となって演奏会が行われます。 つまりサンクトペテルブルクのモスクワへの殴り込み音楽週間みたいなものでちょっと普通じゃ聴く事の出来ないハイ・テンションの演奏が楽しめる確率が非常に高いという事です。 今日紹介するこのチャイコフスキーの交響曲第5番の演奏は私がいろいろ聴いた演奏の中でも間違いなく「天の上」クラスだと思います。 これを超える演奏をまだ聴いてません。 なんたって自分の主催する音楽祭のオープニング・コンサートでロシア正教の関係者やモスクワ市、ロシア連邦のお偉いさんが大勢来ているのでいやでもテンション上がりますよね。 オケもサンクトペテルブルクの意地を見せる格好の場です。
2003042903.jpg
この日のゲルギエフはいつもの顔面にまるでコケが生えているような髭(フィリップスから発売されているストラヴィンスキーの火の鳥のジャケット参照)をきれいに剃っていてしかもホワイト・タイです(笑) これを見ただけでも気合十分なのがよく分かります。 演奏はテンポの揺れが非常に激しく突然速くなったかと思えばぐぐっとテンポを落として美しく歌い上げて、そしてまた全速力で突っ走るというものです。 これだけテンポを揺らしてもオケがしっかり鳴っているのは見事としか言いようがありません。 最終楽章はスイッチが入ったかのように猛突進する様に見惚れてしまいました。 演奏が始まった時は弦の音はつややかじゃないし木管もそんな上品じゃないし金管なんか赤の広場の軍事パレードで演奏している軍楽隊から無理矢理引っ張ってきて吹かせているんじゃないかと思いました。 でも演奏を全て聴き終えてこれがロシアのチャイコフスキーなんだと思いました。 荒削りだけど男性的でとにかく力強さを前面に出した演奏をベルリンやウィーン、コンセルトヘボウといったオケがするとは思えないですし実際、ゲルギエフはウィーン・フィルを指揮してチャイコフスキーの交響曲第5番の録音してますのでCDを聴いてみましたがモスクワでのこの演奏とは全然違い過ぎてがっかりした記憶があります。 このモスクワでの演奏を聴いていなければウィーン・フィルとの演奏はベスト・チョイスなんですけどね。

これまでロシア文化テレビから録画した演奏会リストは
どうぞ↓こちらをご覧になられて下さい。
こういちろう どっと こむ
posted by 北国育ちの3月うさぎ at 22:56| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ゲルギエフは今日では数少ない「カリスマ」ではないでしょうか。
 風貌から言うのではなく、ただの奇麗事、円満で楽しいルーチンな仕事は、やりたくない人のようにも思えますね。
 勝手な希望ですが、ゲルギエフには、あまり西側(古い言い方?)に進出して欲しくないなあ。あくまでもロシアの指揮者でいて欲しい気がします。 
 今後、この人のベートーヴェンに期待しています。
Posted by puku at 2008年11月27日 11:19
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。