
でも今回紹介するのは私がいつも見ているロシア文化テレビの主催で行われている「胡桃割り人形音楽コンクール」です。これは毎年11月にモスクワで行われている子供たちを対象にしたコンクールです。 テレビ局の主催ですからコンクールに臨んだ子供たちの演奏や審査の様子を紹介する番組が毎日放送されますし最終審査を兼ねたコンサートと受賞式はモスクワでは生中継で、カムチャッカ、極東、沿海州は翌日録画されたものが放送されます。 コンクールに登場する子供たちはロシア全土から予選を勝ち抜いてきただけあってレベルが非常に高いです。 ロシアからだけではなくウクライナやベラルーシからも来ていますし以前日本人の女の子が出場していた事もありました。 今回はピアノ部門で韓国の女の子が最終審査まで残りました。

審査員はモスクワのプロ・オケの団員やモスクワ音楽院の教授とかロシアで有名な人ばかりです。 例えばフルート部門の審査員はチャイコフスキー記念ボリショイ交響楽団(モスクワ放送交響楽団)のフルート奏者マリア・フェドトーワですし今年のトランペット部門の審査員はセルゲイ・ナカリャコフでした。 ナカリャコフに自分の演奏を聴いてもらうというのは凄いことだと思いますがプレッシャーも凄いでしょうね。

さて今年で第9回目となった「胡桃割り人形音楽コンクール」の最終審査のコンサートは11月17日に日本時間午後3時から放送されました。


マレク・ゴレンシテイン指揮ロシア国立交響楽団がチャイコフスキーのバレエ「胡桃割り人形」の小序曲を演奏して最終審査が始まりました。

パーカッション(木琴)、クラリネット、フルート、ハープ、ヴァイオリン、チェロ、ピアノの各部門で勝ち残った子たちがロシアを代表するオーケストラをバックに演奏するのですがとても10代前半の子供とは思えないものばかりです。


演奏される曲目もヴァイオリンはサラサーテのツィゴイネルワイゼン、チェロはエルガーのチェロ協奏曲、ピアノはグリークやJ・S・バッハの協奏曲とこれまた難易度の高いものです。 放送を見終わってもちろん演奏に感心しましたがそれよりも何よりもこういうコンクールを企画・開催してその様子を放送するロシア文化テレビを日本の某公共放送局も見習う必要があるのではないかなと思いました。 学校教育で強制的にクラシック音楽を聴かせても興味を持つ子供ってほとんどいないと思います。 自分と同世代の子がピアノやヴァイオリンを演奏しているのを見たり聴いたりする方はインパクトが思いますし少しでもクラシック音楽に興味を持つようになってくれれば将来大人になって演奏会に足を運んでくれるかもしれません。 演奏家を育てる事はもちろん必要ですがそれを支えてくれる聴衆を増やす事はもっと大切な事だと思います。 そんな意味からこの「胡桃割り人形音楽コンクール」は大変素晴らしいものだと思います。
これまでロシア文化テレビから録画した演奏会リストは
どうぞ↓こちらをご覧になられて下さい。
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