

曲はチャイコフスキーのスラヴ行進曲作品31と歌劇「エウゲニ・オネーギン」第1幕第2場よりタチアナのアリア(手紙の場)でソリストはリューバ・カザルノフスカヤ(ソプラノ)、ワシリー・シナイスキー/ロシア国立交響楽団による演奏です。


ワシリー・シナイスキーは2002年までロシア国立交響楽団の常任指揮者を務めていました。 ロシアよりはイギリスのBBC交響楽団など西側で積極的な活動しているようでCHANDOSレーベルからCDが発売されています。


スラヴ行進曲はチャイコフスキーがトルコと戦っている同じスラヴ民族のセルビアを支援するための義援金を募るための演奏会のために作曲したものです。


曲の最初は弦による陰鬱な旋律がトルコに蹂躙されているセルビア民族の悲惨な姿を表現しているのですがシナイスキーがゆっくりしたテンポでさらに悲しげに演奏しています。


そしてトランペットが入ってくるとテンポを上げていくところはロシアの指揮者ならではの表現でしょうか。 スラヴ行進曲はロシアのテレビでも演奏されているのを観たことがなくシナイスキーもロシア国立交響楽団の常任を離れてしまってからまったくテレビに出なくなってしまったので貴重な映像だと思います。


スラヴ行進曲に続いて演奏されたのはリューバ・カザルノフスカヤをソリストに迎えての歌劇「エウゲニ・オネーギン」の第1幕第2番でオネーギンに恋をしたタチアナが恋文を書きながら歌うアリアで「エウゲニ・オネーギン」では「レンスキーのアリア」と並んで有名です。


カザルノフスカヤはどちらかと言うと芯のある太めの声ですが私は結構好きです。 ロシア文化テレビの歌曲などを紹介する番組の司会者も務めていてロシアの国民的ソプラノと言う感じです。


見た目も悪くないしこれならカザルノフスカヤのタチアナで全曲聴いてみたいですね。 という訳で大変楽しめる映像でした。
これまでロシア文化テレビから録画した演奏会リストは
どうぞ↓こちらをご覧になられて下さい。
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